野球肩を予防するには、投球フォームだけでなく、⇒削除 投球前の準備や練習後のケア、投球数の管理まで含めて考えることが大切です。肩だけをストレッチしていても、肩甲骨や体幹、股関節の動きが低下していると、投球時の負担が肩に集中することがあります。日頃から身体の状態を確認し、疲労をためない練習習慣を身につけましょう。
野球肩の予防では、投球前に身体を温め、肩甲骨や体幹を動かしやすくしておくことが重要です。投球後は疲労を確認し、軽い運動や休養で回復を促します。痛みがある場合は、無理に投げ続けないことが基本です。
野球肩が起こる原因を理解しよう
野球肩は、投球時に肩へ繰り返し負担がかかることで起こりやすくなります。ただし、投球数の多さだけが原因になるわけではありません。
投球動作では、足で地面を踏み、股関節と体幹を回し、その力を肩、肘、手へ伝えます。下半身や体幹をうまく使えないと、腕の力に頼った投げ方になり、肩への負担が増えやすくなります。
肩甲骨や胸郭の動きも重要です。肩甲骨が滑らかに動かない状態では、腕を上げたり後ろへ引いたりする際に、肩関節だけが大きく動く形になります。
疲労がたまってフォームが崩れた状態や、身体が温まっていない状態での強い投球も注意が必要です。予防のためには、肩だけでなく全身の動きと練習量を確認する必要があります。
野球肩を予防する投球前の準備
投球前は、いきなり強いボールを投げるのではなく、身体全体を段階的に動かすことが重要です。肩のストレッチだけで準備を終わらせないようにしましょう。
最初に、軽いジョギングやストレッチなどで身体を温めます。身体が冷えたまま強く腕を振ると、筋肉や関節が動きにくく、肩へ負担が集中しやすくなります。
次に、股関節や体幹を動かします。身体を左右にひねる、片脚で立つ、軽くスクワットをするといった動作を取り入れると、下半身から力を伝えやすくなります。
肩周辺では、肩甲骨を寄せる、離す、上下に動かすといった運動を行います。腕を小さく回す動きから始め、徐々に動かす範囲を広げてください。
キャッチボールは近い距離から始めます。最初から遠投や全力投球を行わず、肩の動きやボールの感覚を確認しながら強度を上げることが大切です。
投球後に行いたい肩のケア
投球後は、肩の状態を確認し、疲労を翌日に残しにくくするケアを行います。強く揉んだり、痛みを我慢して伸ばしたりする必要はありません。
まず、肩の前側、後ろ側、上部などに痛みや重さがないかを確認します。投球中に問題がなくても、練習後や時間が経ってから違和感が出る場合があります。
投球直後は、腕を軽く振る、肩甲骨をゆっくり動かすなど、負担の少ない動作で身体を落ち着かせます。激しい練習の直後に、肩を強く伸ばすことは避けましょう。
肩の熱感や痛みがある場合は、追加の投球や筋力トレーニングを控えます。冷却が適しているかどうかは状態によって異なるため、長時間冷やし続けないよう注意してください。
睡眠と食事も回復に関係します。投球後のストレッチだけでなく、十分な休養を取れる練習スケジュールを整えることも肩のケアの一つです。
野球肩予防に必要なストレッチ
野球肩を予防するストレッチでは、肩だけでなく、胸、背中、体幹、股関節まで動かすことが大切です。投球に必要な動きを全身で確保することを意識しましょう。
胸の筋肉が硬くなると、肩が前へ出やすくなり、肩甲骨の動きが小さくなることがあります。壁や柱に手を添えて胸を伸ばす場合は、肩の前側に痛みが出ない範囲で行います。
背中や胸郭のストレッチでは、四つ這いの姿勢から背中を丸めたり、ゆっくり身体をひねったりします。呼吸を止めず、反動をつけずに動かすことがポイントです。
股関節周辺が硬いと、投球時に下半身から体幹へ力を伝えにくくなります。太ももの前後や内側、お尻周辺も、左右差を確認しながら伸ばしましょう。
ストレッチ中に鋭い痛みやしびれが出た場合は中止してください。柔軟性には個人差があるため、周囲の選手と同じ範囲まで無理に伸ばす必要はありません。
肩や肩甲骨を支えるトレーニング
肩や肩甲骨を支える筋肉を鍛えることは、投球時の安定性を高めるために役立ちます。ただし、重い負荷をかければよいわけではありません。
肩には、腕の骨を関節の中で安定させる小さな筋肉があります。ゴムバンドを使って腕を外側や内側へゆっくり動かす運動は、軽い負荷から始めることが大切です。
肩甲骨周辺では、肩をすくめずに肩甲骨を背中側へ寄せる運動や、壁に手をついて肩甲骨を動かす運動があります。腕だけを動かさず、肩甲骨の動きを意識しましょう。
体幹と下半身の安定性も必要です。片脚立ち、軽いスクワット、姿勢を保つトレーニングなどを取り入れると、投球時に身体が流れにくくなります。
トレーニング後に肩の痛みが強くなる場合は、負荷や方法が合っていない可能性があります。回数を増やすよりも、正しい姿勢で無理なく行うことを優先してください。
投球数と練習量を管理するポイント
野球肩を予防するには、投球数だけでなく、投球強度や連投の有無、疲労の残り方まで管理する必要があります。数字だけを守れば十分とは限りません。
ブルペン投球や試合だけでなく、キャッチボールや守備練習で投げた回数も肩への負担になります。複数の練習を行う日は、一日全体の投球量を確認しましょう。
疲労がたまると、肘が下がる、身体の開きが早くなる、腕の振りが遅れるなど、投球フォームが変化しやすくなります。球速やコントロールの低下も疲労の目安になります。
球数に余裕があっても、肩が重い、腕が振りにくい、フォームが崩れると感じた場合は休む判断が必要です。練習日と休養日のバランスを整え、連日の全力投球を避けてください。
成長期の選手は、身体の変化によって動きやすさが変わることがあります。以前と同じ練習量でも負担が増える場合があるため、定期的に身体の状態を確認しましょう。
痛みを感じたときに無理をしないことが重要
肩に痛みを感じたときは、痛みを我慢して投げ続けないことが重要です。軽い違和感であっても、投球を続けることで症状が強くなる場合があります。
練習を休むと痛みが減る場合でも、すぐに通常の球数や強度へ戻さないことが大切です。日常動作や肩の基本的な動きで痛みがないことを確認し、近距離の軽い投球から段階的に再開します。
強い痛みがある、腕が上がらない、力が入りにくい、しびれや腫れがある場合は、自己判断で練習を続けず、医療機関での確認を優先してください。
痛みを繰り返す場合は、肩だけでなく、肩甲骨、体幹、股関節、投球フォーム、練習量まで確認する必要があります。最初に行うべきことは、痛みを隠して投げることではなく、練習を止めて身体の状態を整理することです。
投稿者プロフィール

- 帝京高校野球部で甲子園に3回出場し、高校日本代表、早稲田大学、社会人野球を経験。自身のケガをきっかけに柔道整復師となり、整形外科勤務では肩・肘を中心に多くの症例に携わる。現在は身体の使い方や動きまで確認し、再発しにくい身体づくりをサポートしています。
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